「病院で椎間板ヘルニアと言われた」「脊柱管狭窄症で、歩くと足がつらくなる」。整形外科で働いていたころ、こうした方に毎日のようにお会いしてきました。痛みやしびれで歩くのもつらいのに、お薬で様子を見ることになり、不安を抱えている方も少なくありませんでした。鍼灸でできること、できないことを、正直にお話しします。
椎間板ヘルニアと、脊柱管狭窄症
椎間板ヘルニア
背骨の骨と骨のあいだには、クッションの役目をする「椎間板」があります。この椎間板の一部が飛び出して、近くの神経にふれることで、腰の痛みや、お尻から足にかけての痛みやしびれが出ることがあります。
脊柱管狭窄症
背骨の中には、神経の通り道である「脊柱管」があります。年齢による変化などで、この通り道がせまくなり、神経が圧迫されることで、足の痛みやしびれが出ることがあります。少し歩くと足がつらくなり、休むとまた歩けるようになる、という症状が出ることもあります。
どちらも、診断は医師が行います。腰や足の痛み、しびれがある方は、まず整形外科で検査を受けてください。
鍼灸でできること、できないこと
できないこと
鍼灸は、飛び出した椎間板や、せまくなった脊柱管を、元に戻すものではありません。病院での診断や治療の代わりになるものでもありません。病院で受けている治療やお薬は、自己判断でやめないでください。
できること
腰やお尻、足には、痛みやしびれをかばううちに、こわばってしまった筋肉があることも少なくありません。鍼灸では、こうした筋肉のこわばりに、鍼で直接アプローチします。病院での治療と並行して、体のつらさのケアの一つとして鍼灸を受ける方もいらっしゃいます。
当院での施術
当院では、刺した鍼に弱い電気を流す「鍼通電療法」を行っています。鍼通電療法については、鍼通電療法とは?の記事でご紹介しています。
院長は、鍼通電療法臨床研究会の講師を務めています。2025年6月には、研究会が開いたワークショップ「椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症に対する鍼通電療法」に、アシスタントとして参加しました。全国から集まった鍼灸師とともに、鍼を打つ位置や角度、深さ、電気を流すタイミングなどを、くり返し確認しました。
施術の前には、病院で受けた診断や、今受けている治療、お薬の内容をうかがいます。そのうえで、整形外科での経験をもとに、鍼灸で対応できる状態かどうかを見きわめます。病院での受診をおすすめしたほうがよいと判断した場合は、正直にお伝えします。
すぐに医療機関を受診してほしい症状
次のような症状があるときは、鍼灸院ではなく、すぐに医療機関を受診してください。
- 尿が出にくい、もれる、便が出にくいなど、排尿や排便に変化がある
- お尻のまわりや、股のあたりがしびれる
- 足に力が入らない、つまずきやすくなった
- 痛みやしびれが、急に強くなった、広がった
- じっとしていても痛む、夜に痛みで目が覚める
- 熱がある、体重が急に減った
病院に通っていても、受けられますか?
はい、お受けいただけます。病院で受けている治療の内容や、医師から言われていることを、カウンセリングの際にお知らせください。担当の医師に、鍼灸を受けてよいかを確認していただくと、より安心です。
